ドローンを飛行させる皆さんが一番待望していることは何でしょうか…
勝手ながら私はバッテリの心配なしでドローンを長時間飛行できるようになることだと思います。
現在市販されているドローンは、短いもので5分程度、長いものでも30分強程度の飛行時間しかありません。
バッテリのヘタリ具合や墜落の危険性などを考えると、スペック上の飛行時間よりも短い飛行時間に抑えている方もいるのではないでしょうか?
しかし、もしドローンが2時間でも3時間でも飛行可能となればどうでしょう?バッテリの容量を気にせずに操縦装置の電波の届く範囲で好きなだけ飛行を楽しむことができるとしたらどうでしょうか?
そんな技術が近い将来実現するかもしれません…
ドローンのワイヤレス電力伝送の実証実験
3月9日、日本電業工作とエンルートがドローンのバッテリーに対してワイヤレス(無線)で充電を行う技術(ワイヤレス電力伝送技術)の実証実験成果を発表しました。
ワイヤレス電力伝送装置が取り付けられた4台ドローンを収納できるベースラック(ドローンの置台@エンルート製)でドローンを充電した結果、6直列リチウムイオンバッテリー(2,200mAh)を約2時間で充電できたということです。
実証実験で使用されたのは、日本電業工作の製品 MiRAC(ミラック)の試作品です。MiRACは電力をマイクロ波に変換して送信し、充電側はそのマイクロ波をレクテナで電力に変換して充電します。
MiRACには現在、ラインナップとしてHi-PowerタイプとLow-Powerタイプの2種類があります。
- Hi-Powerタイプ:5.8GHz帯 750W
- Low-Powerタイプ:5.8GHz帯 50W
実証実験では、2.4GHz帯50WのMiRACの実用化に向けた試験の位置付けもあるようです。
今回の実証実験で使用された器材は、3月26日から幕張メッセで開催される「ジャパン・ドローン2016」のエンルートのブースで展示が行われる予定のようです。
ワイヤレス充電の利点とは
ワイヤレス充電の主な利点は以下が挙げられます。
- ドローンをラック(置台)に戻すだけで充電してくれる
- ドローンにコネクタを繋げたりなどの手間がなくなる
- レクテナ等をきょう体内部でシールドできるため防塵防水性が高い
- 長距離になるほど有線に比べて電力の伝送効率が高い
ワイヤレス伝送技術の今後
現在はまだドローンの置台での充電です。
電波(レクテナ)を用いたワイヤレス電力伝送技術は、原理的には数km程度まで可能です。
今後は飛行中のワイヤレス電力伝送技術に関する技術の研究が活発化する見込みです。
マイクロ波送信アンテナやレクテナの指向性、対向させるための振り込み技術や互いの位置の推定など課題も多いと思われますが、それらが実用化され、ドローンのバッテリ容量からの呪縛から早く解き放たれることを期待したいです。
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