ドローンといえば Phantom というほどの知名度で知られる DJI の Phantom シリーズの Phantom 3 についてグレード別に性能を比較したいと思います。
DJI社はドローン業界最大大手であり、そのDJI社が提供する Phantom シリーズはホビーだけでなく業務用途としても遜色ない性能も持ち合わせている機体です。(その他にDJI社からは Inspire という空撮に特化したプロ仕様の性能を誇る機体も存在します。)
また、日本で航空法が改正して以降、国土交通省で許可・承認された飛行申請件数がダントツで多いのも、この Phantom シリーズの最新機種である Phantom 3 なのです。
こらから初めて空撮用ドローンを購入する方は、この機体であればほぼ間違いはないでしょう!
Phantom 3 のグレード別のスペック(仕様)の違い
Phantom シリーズは現在までに Phantom 1~3 までが発売されています。Phantom 1及び2では空撮用カメラを別途購入する必要(Phantom 2 Vision+除く)がありましたが、最新機種の Phantom 3 では空撮用カメラもセットとなっており、購入してすぐに空撮を楽しむことができます。ここでは、Phantom 3 の基本的なスペック(仕様)の違いについて見ていきましょう。
Phantom 3 共通スペック(仕様)
機体
- 対角寸法:350mm(プロペラ除く)
- 最大上昇速度:5m/s
- 最大下降速度:3m/s
- 最大飛行速度:16m/s(ATTI mode、無風時)
- 航行可能限界高度:6,000m
- 動作環境温度:0~40℃
ジンバル
- 動作範囲:-90~+30°(ピッチ角)
- 動作精度:±0.02°
カメラ
- レンズ:FOV(水平画角)94°、20mm(35mm換算)f/2.8
- 最大静止画サイズ:4,000×3,000px
Phantom 3 Standard
機体
- カラー:レッド
- 重量:1,216g(バッテリー、プロペラ込)
- 最大飛行時間:約25分
- 測位システム:GPS
- ホバリング精度:±0.5m(垂直)、±1.5(水平)
カメラ
- センサー:Panasonic Smart FSI 1/2.3″、有効画素数12M (総画素数12M)
- ビデオ記録モード:
2.7k(2,704×1,520px 30)
FHD(1,920×1,080px 24/25/30)
HD(1,280×720px 24/25/30/48/50/60) - 対応SDカード:Micro-SD、64GB、クラス6以上
通信
- 動作周波数:922.7~927.7MHz
- 最大通信距離:1,000m(FCC)、500m(CE)※見通し内、遮蔽物なし
- 出力(EIRP):19dBm(FCC)、14dBm(CE)
Phantom 3 Advanced
機体
- カラー:シルバー
- 重量:1,280g(バッテリー、プロペラ込)
- 最大飛行時間:約23分
- 測位システム:GPS/GLONASS
- ホバリング精度:±0.5m(垂直)、±1.5(水平)
ビジョンポジショニング有効時:±0.1m(垂直)
カメラ
- センサー:Sony Exmor R BSI 1/2.3″、有効画素数12.4M (総画素数12.76M)
- ビデオ記録モード:
FHD(1,920×1,080px 24/25/30/48/50/60)
HD(1,280×720px 24/25/30/48/50/60) - 対応SDカード:Micro-SD、64GB、クラス10またはUHS-I
通信
- 動作周波数:2.400~2.483GHz
- 最大通信距離:2,000m※見通し内、遮蔽物なし
- 出力(EIRP);20dBm(FCC)、16dBm(CE)
Phantom 3 Professional
機体
- カラー:ゴールド
- 重量:1,216g(バッテリー、プロペラ込)
- 最大飛行時間:約23分
- 測位システム:GPS/GLONASS
- ホバリング精度:±0.5m(垂直)、±1.5(水平)
ビジョンポジショニング有効時:±0.1m(垂直)
カメラ
- センサー:Sony Exmor R BSI 1/2.3″、有効画素数12.4M (総画素数12.76M)
- ビデオ記録モード:
UHD(4,096×2,160px 24/25、3,840×2,160px 24/25/30)
FHD(1,920×1,080px 24/25/30/48/50/60)
HD(1,280×720px 24/25/30/48/50/60) - 対応SDカード:Micro-SD、64GB、クラス10またはUHS-I
通信
- 動作周波数:2.400~2.483GHz
- 最大通信距離:2,000m※見通し内、遮蔽物なし
- 出力(EIRP);20dBm(FCC)、16dBm(CE)
まとめ
Phantom 3 のグレード別の大きな違いはやはりカメラ性能(ビデオ記録モード)でしょう。4K動画の撮影できる Professional はやはり魅力的です。
あとは、Advanced 及び Professional が測位システムとしてGPSに加えてGLONASSを併用できる点は、衛星配置などによる測位精度の悪化の緩和にかなり貢献するかと思います。また、室内での飛行を考えるとビジョンポジショニングが使用できる点も大きいですね。
通信性能を見てみると Advanced 及び Professional の最大通信距離が2,000mあるのも魅力的です。ですが、 Advanced 及び Professional が2GHz帯(Sバンド)なのに対し、Standard は900MHz帯(Lバンド)なので、そこまで遠くに飛ばす必要がなく多少の障害物のある場所でドローンを飛ばしたい方にとっては、あえて Standard という選択肢も十分あるように思えます。
Phantom 3 バージョン | Standard | Advanced | Professional |
初期費用を抑えたい | ○ | △ | × |
4K動画撮影 | × | × | ○ |
室内での飛行 | × | ○ | ○ |
測位の安定性 | △ | ○ | ○ |
長距離での飛行 | △ | ○ | ○ |
多少の障害物のある場所での飛行 | ○ | △ | △ |
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