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ドローン包囲網狭まる!次々と開発されるドローン検知システムの現在

3月14日、MSBの取材で兵庫県加古川市に住む40代男性会社員を航空法違反の疑いで書類送検する方針であることが分かりました。

この男性には今年1月、加古川市の住宅街で午後11時頃に無承認でドローンの夜間飛行(夜間飛行をするにはドローンの飛行申請をして承認されなければならない)を実施した疑いがかけられ、男性も容疑を認めているとのことです。

今回は民家の駐車場にドローンが落下したことで事件が発覚しましたが、ある技術によって今後は現行犯による違法ドローンの摘発が増えてくることでしょう。

目次

ドローン検知システムとは

ドローン検知システムとは、飛行中のドローンが発する様々な情報を元に、ドローンの飛行している場所などをリアルタイムで検知するシステムのことをいいます。

飛行中のドローンが発する様々な情報とは主に、「プロペラが回転することで発生するドローン飛行時の独特な風切音」、「ドローンが飛行する際の飛しょう音」、「ドローンが発する電波」、「飛行しているドローンの視覚的(カメラ映像・レーダーなど)情報」などです。

これらの複数の情報を元に、違法ドローンの飛行を迅速に検知するシステムが各社で開発・発表されています。

NECのドローン検知システム

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画像出典:NECホームページより

NECは、「高感度カメラ」、「熱を検知するサーマルカメラ」、「電波到来方位探知センサ」で構成されたドローン検知システムを開発しました。

このシステムは、画像処理に機械学習を応用することで、大量のデータを用いて自らドローンの識別精度を向上し雲や鳥などとドローンを区別することができ、1km遠方からのドローンの飛来も検知することができるそうです。

ドローンと判別した後は、カメラによる自動追尾により不審ドローンが接近すると警告などを発するようです。

セコムのドローン検知システム

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画像出典:セコムホームページより

ホームセキュリティーや警備サービスなどで有名なセコム(SECOM)は、「レーダー」、「音」、「カメラ」を組合わせたドローン検知システム「セコム・ドローン検知システム」を開発しました。

このシステムは、レーダー、3D指向性マイク、近赤外照明付高速パンチルトズームカメラ、監視卓で構成されたシステムで、直径約50cm以上のドローンに対し、半径約100mの範囲でのドローンの監視・補足・追跡が可能となっています。

2月28日(日)に開催された東京マラソンでもこのシステムは採用されました。

パナソニックのドローン検知システム

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画像出典:パナソニックホームページより

パナソニック システムネットワークスは、約300m先から飛来するドローンを検知することができるシステムを開発しました。

このシステムは、「カメラ」、「音」を組合わせたドローン検知システムで、そのシンプルな構成から可搬(持ち運びが可能)による運用にも対応しています。

「音」によるドローン検知は、通常は約100m程度ですが、このシステムは約300mの検知範囲を実現しており、ドローンの検知後はカメラ(昼夜対応)による高速な追尾が可能となっています。また検出した各情報は、「ヒートマップ機能」により周囲の環境やドローンの情報を視覚的に把握できるようになっています。

東芝グループのドローン検知システム

東芝グループの東京エレクトロニツクシステムズは、ドローンの発する電波を補足することによって、1.5km先を飛行するドローンの検知を可能としたシステム「EYEvista」を開発しました。

このシステムは、ドローンが飛行中に電波により操縦者へ送信する信号等(映像信号や機体情報信号など)を受信し、その電波の強度から発信源を特定するもので、これまでの「音」や「カメラ」によるドローン検知システムに比べて格段に検知できる範囲が広くなっています。

しかし電波を用いたシステムのため、近距離においては建造物などにより電波が反射することで位置特定の精度が落ちるため、近距離では従来の「音」や「カメラ」などによるドローン検知システムと組み合わせた運用が理想的とのことです。

まとめ

飛行中のドローンの発する様々な情報を元にドローン検知システムが次々と開発されてきています。

情報の特徴から、検知範囲や精度などは様々であり、今後はそれぞれのドローン検知システムの特徴をうまく利用することで不審ドローンに対する一層の抑止力として機能していくことが期待されます。

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