自動車部品のメガサプライヤーである(株)デンソー(DENSO)がドローン市場に参入することを発表しました。
急速に拡大しつつあるドローン市場の中でも産業用無人航空機の分野に主に取り組んでいくということで、今後の需要が期待できる建築物の点検サービス等を見据えてRCヘリコプターで世界トップシェアを誇るヒロボー(株)(HIROBO)と共同開発した試作ドローンを披露しました。
ヒロボーと共同開発した試作ドローン
披露された試作ドローンは、機体:ヒロボー、制御:デンソーという担当割り振りで共同開発。
デンソーは自動車部品供給メーカーとして培った制御技術をドローンの飛行制御へ活用し、ホビー向けドローンとは違った角度でドローン市場での存在感を強めていきたいようです。
今回披露された試作ドローンは、
- 重量:4.7kg
- サイズ:1040mm
- ペイロード:2kg
- 可変ピッチ機構
この中でも特筆すべきものは「可変ピッチ機構」で、これはドローン飛行中に自在にプロペラの角度を変更するための機構。
通常、ドローンのプロペラは固定ピッチでプロペラの角度は常に一定です。
そのため、揚力(ドローンが浮くための力)を制御するためにはプロペラの回転数そのものを制御する必要がありました。
しかし可変ピッチ機構はこのプロペラの角度を制御することで、プロペラの回転数を変えずに揚力の制御を容易に実現しています。
これは通常の有人ヘリコプターにも搭載されている機構であり、構造が複雑化(もちろん価格も上昇)するためにホビー向けドローンでは採用が難しいのです。
デンソーは産業用ドローンに的を絞りドローンの性能向上を追求する上での制限を少なくすることで、建築物等に1m以下の至近距離まで接近できるようです。
また、今後は実用化に向けて画像解析技術の開発も並行して進めることで、建築物の老朽度合や損傷具合の点検サービスに活躍できるドローンを目指していくということです。
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