実は一般的にドローンと呼ばれるものの中には、日本の法律上ドローン(無人航空機)の定義から外れるものも存在します。
法律上の定義から外れるのであれば、もちろん法律で定められた規則には抵触しませんよね。
ここでは、ドローン(無人機・無人航空機)の明確な定義を法律の解釈を交えて分かりやすく説明します。それに伴ってドローンの飛行申請が不要なドローンについてもその理由を含めてお話します。
基本編
- 法改正で必要になったドローンの飛行申請とは?
- そのドローンは飛行申請が必要かどうか確認しよう
- ドローンの飛行申請から実際の飛行までの流れを確認しよう
- ドローン飛行申請の申請先を確認しよう
もっと詳しく
航空法で定義されるドローン(無人機・無人航空機)とは
一般に認識されているドローンの中には飛行申請が必要ないドローンも存在します。
航空法ではドローンは「無人航空機」と定義されています。
ドローンを飛行させる際に申請が必要となる場合(「許可」が必要な空域もしくは「承認」が必要な飛行方法でドローンを飛行させる場合(こちらで詳しく解説しています))は、当然航空法で「無人航空機」と定義されるものだけに有効です。
航空法で「無人航空機」は次のように定義されています。
航空法(第一章 第二条 第二十二項)
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。
つまり、この定義中にカッコ書きで記されている
その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。
という一文に該当するドローン(無人機・無人航空機)は法律上の「無人航空機」に該当しないことが分かります。
「国土交通省令で定める」とは?
まず、「国土交通省令」というものについてご説明します。
法律とは「法令」のうちの1つであり、法令にはその他にも“政令”、“省令”というものが存在します。それぞれのパワーバランスは“法律”>“政令”>“省令”となります。それぞれ、国会=法律、内閣=政令、省令=大臣(各省)がその内容を定めます。
※省令と同格の位置に“府令”というものもありますが今回は触れません。
今回の場合でいうと、「国土交通省令で定める」と記載されているため、“法律”から“省令”へ「定める行為」を委任したといえ、その内容は航空法(法律)に対する省令を確認すればよいわけです。
航空法に対する省令とは
“省令”とは各省(国土交通省など)で国会が定めた“法律”をブレークダウン(より具体化)したものです。通常「~法」という法律に対して「~法施行規則」という名称のものが省令になります。航空法の場合ですと、「航空法施行規則」が航空法でいう省令にあたります。(もう一つの「政令」は通常「~施行令」という名称になります。)
きっとそこに「国土交通省令で定めるもの=無人航空機の定義に該当しないドローン」が定められているはずです。航空法施行規則には次のように定められています。
航空法施行規則(第一章 第五条の二)
法第二条第二十二項 の国土交通省令で定める機器は、重量が二百グラム未満のものとする。
※ここでいう“法”とは“航空法”のことを指します。
よって、ドローンの重量が200g未満であれば航空法上の「無人航空機」には該当しないため、航空法に定められた「無人航空機」のルールは適用されない、つまり飛行申請は不要ということになります。
まとめ
重量が200g未満のドローンは「無人航空機」に該当しないため、航空法で無人航空機に対して定められたルールが適用されないため飛行申請は不要となる。
もちろんドローンの重量が200g未満だからといって人がたくさん集まるような場所や、そのドローンが墜落したときに第三者に迷惑となるような場所で飛ばさないという常識の範囲内のルールはしっかり守って飛行させて下さいね。
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